ミゲル・プーガがやってくる!


「日本にはミゲル・プーガを呼びなさい」

心の師匠であるデビッド・ウィリアソンから言われた言葉です。

2011年に中国で、デビッド・ウィリアソンとミゲル・プーガ、マーク・オベロン、私の4人でのショーツアーがありました。40日間で25都市を回るというなかなかハードなものです。

ツアーが始まってすぐ舞台監督が心臓発作で倒れます。急遽ウィリアソンが演者兼監督になり、それから毎日、彼は私に稽古をつけてくれました。私はもともと彼の大ファンだったのですが、ともに過ごすうちに、彼の賢さ、うまさ、センス、人柄にさらに惚れ込んでいくことになります。ツアーが終わるころ、ウィリアソンにぜひ日本に来てくださいと頼み込みました。そこで言われたのが、「ミゲルを呼びなさい」です。

ミゲルはツアーで常に人気者でした。正直に言うと、私にはそれが少し不思議でした。彼はなぜこんなに受けるのか? もしかすると、私がそれをあまり理解していないことを見抜いてウィリアムソンはミゲルを推薦したのかもしれません。「日本のマジシャンにミゲルを見てもらいたい」とウィリアムソンは言っていました。

中国ではミゲルからショーの戦術をいろいろ教わりました。不可能性をそのままに不可能感を高める方法、エレガントではないものにエレガンスを足す方法など。興味深くはありましたが、当時の私には、その印象操作な感じが少しズルいように思われました。しかし、マジックは現実ではなく印象の中にあるものですから、マジック自体がそもそも印象操作とも言えるわけです。

マジックの理解が進めば進むほど、ミゲル・プーガの巧さ、そしてすばらしさがわかるようになりました。彼の作品集『アレグロ』を見た方にはあきらかでしょう。彼はプロ中のプロです。

ミゲル・プーガのワークショップが開催できることをうれしく思います。

 

ポン太 the スミス

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